2008 |
03,07 |
とりあえずビール!な勢いで銀新です。
わんこの散歩中思いついたお話。
甘めを目指してみました(目指すだけならタダ☆)
銀新OKばっちこーぃ!な方は続きからどうぞv
わんこの散歩中思いついたお話。
甘めを目指してみました(目指すだけならタダ☆)
銀新OKばっちこーぃ!な方は続きからどうぞv
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「今日はダメです」
午後8時52分。万事屋の居間で、新八ははっきりと告げた。
告げられた側である銀時は思い切り目を見開いた。
「なんでよ?」
ソファに寝転んだまま、横で見下ろしている少年の着物の裾を捕まえようと手を伸ばす。だが新八は、その手をあっさりとかわした。
銀時の眉間が不満げに寄る。
「今日は帰ります」
銀時の様子にも動じず、先程と同じくきっぱりと言い切った。
風呂場からは、現在入浴中の神楽がザーザーとお湯を流す音がかすかに聞こえてくる。まだしばらくは上がってこないだろうと銀時は踏んで、ソファから身を起こし再び新八を引きとめようと口を開きかけた。
だが、それを新八が制す。
「ここのところ姉上のお店が忙しかったみたいなんで、姉上が明日帰った時一緒に居てあげたいんです」
付け入る隙のない物言いは、自分が存外流されやすい性質だということを理解しているからなのだろうか。
頑なに「帰る」と言い張る新八に、銀時は悔し紛れに「このシスコンめ」と悪態をついた。
だが新八はほんの少し眉をひそめただけで、何も返さない。
銀時は心底面白くなかった。あやうく「姉貴と銀さんとどっちが大事なのッ!?」という、安っぽいドラマのような台詞を吐きそうになったが、すんでで堪えた。
だって銀さん大人だもん。
・・・の前に、「姉上です」とキッパリ答えられてしまうのが怖かった。
「・・・・・・んだよチクショー」
一歩も譲らない様子の新八から銀時はフイと目を逸らした。
まるで駄々をこねる子供のようだ。
その姿を眺める新八は、ふぅと溜め息をついた。
「銀さん」
「・・・・・・」
返事をしない拗ねた大人に、新八は声音を和らげて話しかけ続ける。
「引き止めてくれるのは、嬉しいんですよ。でも、最近姉上と擦れ違いの生活が続いてたんです。だから・・・」
一向にこちらを向かない銀時に、新八からゆっくりと近付いた。かすかに鳴る床板と近寄る気配を察しているだろうに、銀時は振り返らない。
新八は、銀時の白いふわふわとした頭に手を伸ばす。
そして――――。
「新八ィー!」
15分後、ようやく風呂から上がった神楽が濡れた髪をタオルでわしわしと拭きながら出てきた。
だが、名を呼ぶ声と重なって階段を降りる音が聞こえ、「アレ?」と首を傾げた。
そして短い廊下を歩いて居間に入る。
居間には、ソファに何故かうつ伏せで寝転んだ銀時しかいない。
「新八帰ったアルか?」
率直に訊ねた神楽に、銀時は長すぎる間を置いて「おー」と答えた。
そんな銀時の様子に目もくれず、神楽はやや不満そうに「折角ワタシの髪乾かさせてやろーと思ったのに使えない眼鏡アル」とぼやいていた。
タオルを肩にかけた神楽は、仕方ないと呟いて洗面台に戻ろうとする。しかし目の端にとらえた銀時に違和感を覚え、向かいかけた足を止める。
「・・・・・・銀ちゃん耳真っ赤ネ。たこみたいアル」
「・・・・・・・・・・」
神楽の言葉に銀時が一瞬ビクリと肩を揺らす。だがソファに顔を押し付けたまま何も言わない銀時に、神楽はすぐに興味を失った。再び足を動かし、洗面台へ向かう。
銀時は、現在後頭部が燃えるのではないかというくらいに熱かった。顔も耳も赤いのだろうが、とにかく後頭部が熱かった。
(・・・・・・・兵器だ!!)
脳内を意味不明の言葉がぐるぐる回る。わいていた。
神楽が上がる前、銀時に手を伸ばした新八は、彼の頭をつかまえてそのてっぺんにくちづけを落としていった。
銀時は、ソレになんというか、とことんやられてしまった。
いわゆる『夜のお召し』を口にしていたくせに、こんな些細な行為に初心な子供のように反応してしまったのが悔しいやら情けないやらでもやっぱりちょっと嬉しいやらで、銀時は床をゴロゴロ転げまわりたい衝動と戦っていた。
(次会った時覚えてろよ新八!!)
いまだ燃える後頭部をわしゃわしゃとかき回しながら、銀時は完全に負け犬の台詞を胸中で吐いた。
そんな彼の様子を微塵も知らない神楽は、髪をかわかしつつ銀時の赤く染まった耳を思い浮かべながら、「タコさんウィンナーが食べたいアル」と呟いた。
<了>
□■□■□■□■□■
甘さよりも銀さんのどうしようもなさの方が目について仕方ないな(笑)でも銀さんは時々こんぐらい甘えただったら可愛いと思います。どうしようもない位の方が銀さんは好きだ!
こんな奴が書いてる話が、こんなんです(笑)
読んでくださってありがとうございました!
「今日はダメです」
午後8時52分。万事屋の居間で、新八ははっきりと告げた。
告げられた側である銀時は思い切り目を見開いた。
「なんでよ?」
ソファに寝転んだまま、横で見下ろしている少年の着物の裾を捕まえようと手を伸ばす。だが新八は、その手をあっさりとかわした。
銀時の眉間が不満げに寄る。
「今日は帰ります」
銀時の様子にも動じず、先程と同じくきっぱりと言い切った。
風呂場からは、現在入浴中の神楽がザーザーとお湯を流す音がかすかに聞こえてくる。まだしばらくは上がってこないだろうと銀時は踏んで、ソファから身を起こし再び新八を引きとめようと口を開きかけた。
だが、それを新八が制す。
「ここのところ姉上のお店が忙しかったみたいなんで、姉上が明日帰った時一緒に居てあげたいんです」
付け入る隙のない物言いは、自分が存外流されやすい性質だということを理解しているからなのだろうか。
頑なに「帰る」と言い張る新八に、銀時は悔し紛れに「このシスコンめ」と悪態をついた。
だが新八はほんの少し眉をひそめただけで、何も返さない。
銀時は心底面白くなかった。あやうく「姉貴と銀さんとどっちが大事なのッ!?」という、安っぽいドラマのような台詞を吐きそうになったが、すんでで堪えた。
だって銀さん大人だもん。
・・・の前に、「姉上です」とキッパリ答えられてしまうのが怖かった。
「・・・・・・んだよチクショー」
一歩も譲らない様子の新八から銀時はフイと目を逸らした。
まるで駄々をこねる子供のようだ。
その姿を眺める新八は、ふぅと溜め息をついた。
「銀さん」
「・・・・・・」
返事をしない拗ねた大人に、新八は声音を和らげて話しかけ続ける。
「引き止めてくれるのは、嬉しいんですよ。でも、最近姉上と擦れ違いの生活が続いてたんです。だから・・・」
一向にこちらを向かない銀時に、新八からゆっくりと近付いた。かすかに鳴る床板と近寄る気配を察しているだろうに、銀時は振り返らない。
新八は、銀時の白いふわふわとした頭に手を伸ばす。
そして――――。
「新八ィー!」
15分後、ようやく風呂から上がった神楽が濡れた髪をタオルでわしわしと拭きながら出てきた。
だが、名を呼ぶ声と重なって階段を降りる音が聞こえ、「アレ?」と首を傾げた。
そして短い廊下を歩いて居間に入る。
居間には、ソファに何故かうつ伏せで寝転んだ銀時しかいない。
「新八帰ったアルか?」
率直に訊ねた神楽に、銀時は長すぎる間を置いて「おー」と答えた。
そんな銀時の様子に目もくれず、神楽はやや不満そうに「折角ワタシの髪乾かさせてやろーと思ったのに使えない眼鏡アル」とぼやいていた。
タオルを肩にかけた神楽は、仕方ないと呟いて洗面台に戻ろうとする。しかし目の端にとらえた銀時に違和感を覚え、向かいかけた足を止める。
「・・・・・・銀ちゃん耳真っ赤ネ。たこみたいアル」
「・・・・・・・・・・」
神楽の言葉に銀時が一瞬ビクリと肩を揺らす。だがソファに顔を押し付けたまま何も言わない銀時に、神楽はすぐに興味を失った。再び足を動かし、洗面台へ向かう。
銀時は、現在後頭部が燃えるのではないかというくらいに熱かった。顔も耳も赤いのだろうが、とにかく後頭部が熱かった。
(・・・・・・・兵器だ!!)
脳内を意味不明の言葉がぐるぐる回る。わいていた。
神楽が上がる前、銀時に手を伸ばした新八は、彼の頭をつかまえてそのてっぺんにくちづけを落としていった。
銀時は、ソレになんというか、とことんやられてしまった。
いわゆる『夜のお召し』を口にしていたくせに、こんな些細な行為に初心な子供のように反応してしまったのが悔しいやら情けないやらでもやっぱりちょっと嬉しいやらで、銀時は床をゴロゴロ転げまわりたい衝動と戦っていた。
(次会った時覚えてろよ新八!!)
いまだ燃える後頭部をわしゃわしゃとかき回しながら、銀時は完全に負け犬の台詞を胸中で吐いた。
そんな彼の様子を微塵も知らない神楽は、髪をかわかしつつ銀時の赤く染まった耳を思い浮かべながら、「タコさんウィンナーが食べたいアル」と呟いた。
<了>
□■□■□■□■□■
甘さよりも銀さんのどうしようもなさの方が目について仕方ないな(笑)でも銀さんは時々こんぐらい甘えただったら可愛いと思います。どうしようもない位の方が銀さんは好きだ!
こんな奴が書いてる話が、こんなんです(笑)
読んでくださってありがとうございました!
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