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珠谷ブログ

日々の出来事や妄想など。取り止めのなさが売りです(え)
2024
05,19

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2008
03,14
スルーする気満々だったんですが、朝からバイト行ってたらネタが降ってきたので忘れないうちに。
銀新です。バレンタインSSの続きっぽく。
アサキさんとこのホワイトデー夢の銀ちゃんが可愛かったvイメトレ(含笑)
しかし銀さんの夢を読むのと最近妙に違和感を感じる。・・・・・・骨の髄まで銀新族です。一時は好んで読んでたのになぁ。
そんなわけで私に銀さんの夢はかけなさげ。ノンシュガーノットラブなら書けるけど(それ夢じゃない)

にしても。いや~外に出るもんだねやっぱね!ネタの神様は外で降ってくることが多いです(笑)


てか、バレンタインの時もそうだったけど、タイトルが毎度てきとー過ぎる。

---------


3月に入って、随分と日が長くなった。
冬の間は日が暮れる速さと競うかのように急ぎ足で家に向かって駆けていた子供たちが、同じ時刻の頃にまだ何やら叫び笑いながら通り過ぎて行くのを見て、それを感じた。


「・・・・・・・・・はぁぁぁぁ」


元気よく走り抜けて行った子供たちとは反対に、買物袋を両手に提げた新八は、深い溜め息をついた。
万事屋へと戻る足取りも重い。


僕としたことが。

今日という日を忘れるなんて。


ぶつぶつと呟きながら、どんよりと暗い空気を纏っている。ガックリと肩を落とし、今にも両手の袋を引きずりそうな雰囲気だが、そこはなんとか堪えている。

新八が万事屋に戻るまでについた溜め息は両手では数え切れなかった。
それでもようやく万事屋に辿り着き、2階への階段を上る。
ガラガラガラ、と引き戸を開ける。
「・・・・・・ただいま戻りま」
気の抜けた声で言う言葉は、最後まで続かなかった。玄関に何故か銀時が立っていたからだ。
「おかえりー」
「・・・・・・・・・何してんスか?」
何やらソワソワした様子で、しかしいつものように死んだ魚のような目を新八に向ける銀時に、新八は怪訝な顔をした。
「どっか行くんですか?」
「・・・・・・いや」
「じゃあなんでこんなとこに突っ立ってんですか?」
「・・・・・・んー」
玄関で草履を脱ぎ、台所へと向かう足を止めずに、新八が矢継ぎ早に訊ねるが、銀時は有耶無耶な返答しかしない。
現在どうしようもなく落ち込んでいる新八にとって、正直銀時が何をしようとしているかなど9割どうでもよかったのだが、銀時は何故か新八の後についてきて共に台所へと入った。

「・・・・・・?」
荷物を台の上に置き、広げようとしている新八の後ろに、銀時が何をするでもなく手を後ろ手に組んで立っている。そして妙にそわそわとしている。・・・ような気がする。
そんな銀時を、新八は無視しきれなかった。
なので彼の求めている物を思い当て、言ってみる。
「おやつならありませんよ」
「・・・・・・そうじゃねーよ」
銀時は若干呆れた顔をしている。
どうやら外れたようだ。
だが新八はそれ以上考えるのが億劫だったので、適当に返事をして作業を再開することにした。その間にも先ほどのことを繰り返し思い出しては溜め息をついた。
そんな新八の背中をじぃっと見守っていた銀時が口を開く。
「・・・なんか元気ないね」
「・・・・・・そーですか」
「いや、そーですかって」
返事があまりにそっけなくて銀時は多少傷つく。
俺はお前が帰ってくるのずっと待ってたっていうのにとか、神楽が帰ってくる前の今しかねぇのにとか、つぅかこいつ出てった時こんな落ち込んでたっけとか、ぐるぐると考えるが、その表情は変わらない。
目の前の新八は、今にも影を背負いそうな勢いでどんよりしていた。
なんだか考えいてた空気とは遠すぎるその雰囲気にガックリしながらも、銀時は意を決したように声を張る。
「しーんちゃん」
語尾にハートが見えそうな声色は、流石に自分でも少し気持ち悪かった。
新八も同じことを思っていて、ピタリと手を止めて気味悪げに振り返った。
「・・・・・・なんですか?おやつならありませんよ」
「いや、それはもう聞いたから」
「そーですね」
「いやいやだからそーですねって、・・・じゃなくて!」
ネガティブ新八にどんどんペースを乱される。
「ああもうちくしょう!」
銀時は半ばやけになりながら、新八の目の前に印籠宜しく薄い正方形の包みをかざした。
突然視界をふさがれた新八は驚いて目を見開く。
「銀さんがせっかくホワイトデーのお返ししようと思ってんのに!空気読めよテメー!!」
「・・・・・・なんでキレながら渡すんですか」
「うるさい!」
照れ隠しなのかそうでないのか。銀時がわめきながら差し出した物を、新八はぼんやりとした様子で受け取った。そしてしみじみと呟く。
「・・・そういえば、今日はホワイトデーか」
「え、何忘れてたの新ちゃん」
「ええすっかり。まさか誰かさんからお返しが貰えるとは思ってなかったんで」
正直すぎる少年に愕然としながら、俺ってそんな風に思われてんのねと銀時は悟った。
「ありがとうございます。・・・開けていいですか?」
「おお」
今日一日いつ渡そうかどうやって渡そうかとずっと考えていた銀時は、新八の様子にすっかり気が抜けていた。そんな彼の様子に気付かず、新八は包装紙に貼られたテープを丁寧に剥がしていく。

「・・・言っとくけど、それ買うのも包んでくださいって言うのもすげー恥ずかしかったんだかんな」

開けるまでの間が妙に気恥ずかしく、銀時が口を挟む。
だが新八には彼の言葉は耳に入っていなかった。
中にあるものが何か分かった途端、ソレを持つ少年の手が震えた。そして暗かった表情が一変した。

「銀さん!!」
「・・・なんだよ」

これ!これ!!と震える手で持ち上げたソレは、寺門通の本日発売のニューアルバム。しかも初回限定版。

「・・・もしかして持ってた?」
新八が彼女の親衛隊隊長を勤めているのを考慮するのをうっかり忘れていた銀時がおそるおそる聞く。
だが新八は思いっきり首を振った。何か言いたいのだろうが、言葉にならないらしい。
「・・・これ!僕予約し忘れちゃって!今日思い出したんですけど、もう初回版なくなってて!!」
合間にうわーうわーと言いながら喋る新八に、銀時は「もしかして」と尋ねた。
「お前、それであんな落ち込んでたの?」
先程の様子が見る影もない新八は、きらきらした顔で力強く頷いた。
何度もジャケットを近づけたり離したりしながら見つめる新八は、いっそウサギのように跳ね出しそうな勢いだった。
その勢いのままでお通のアルバムについて語り出した新八に、銀時は「あーまぁ喜んでもらえてよかったよ」と呟きながら、冷蔵庫を開けた。中からいちご牛乳を取り出し、直接口に持っていく。
後ろではまだ新八が熱く語っていたが、銀時はその内容に微塵も興味をもてなかった。

「銀さん!!」

帰ってきた時とは打って変わって元気いっぱいな新八の声に、銀時はいちご牛乳を飲みながらなぁにと振り返った。
新八は、アルバムをぎゅっと抱きしめるように抱えながら、満面の笑みでもって告げる。


「大好き!!」


滅多に聞けない言葉を正面切って言われた銀時は、思わずいちご牛乳を噴出した。






<了>




□■□■□■□■□■
よく考えてみると微妙じゃないかい銀さん?てかんじですけども(笑)
おそらく新八はお通ちゃんに関することしてる時が一番輝いてると思います。お通ちゃん大好きな新八が大好きですv
こっそりお通ちゃんが最大のライバルだと思ってたりする銀さんだといい。お妙さんがラスボスです(笑)

読んでくださってありがとうございました!

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