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珠谷ブログ

日々の出来事や妄想など。取り止めのなさが売りです(え)
2024
05,19

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2007
10,30
思い出したかのように現れるブログdeSS。
今回はガチで銀新ですガチで銀新ですお気をつけください。
2回言ったよガチ銀新・・・というかもう私の知り合いは出来たら見ないでくださ・・・(なら載せるな)

笑って許せる方のみどうぞ・・・。

------------

「唇がカサカサする」と言ったら、姉の妙がにっこり笑ってソレを差し出してきた。

「何ですか?」
「リップクリームよ。お店の店長に貰ったんだけど、1本新ちゃんにあげるわ」

ありがとうございます、と言って受け取ったそれは、黒地に金で小さな花が描かれていた。
カチリとキャップをあけると、途端に甘ったるい香りが鼻につく。
「うわ、何この匂い!」
「黒蜜かしらね?」
「・・・・・・なんか、飴みたいですね」
「食べちゃ駄目よ新ちゃん」
「流石に食べませんよ」
おっとり言った妙にやんわりツッコミつつ、新八は甘い匂いを放つそれを唇に塗った。
体温に溶けたリップは唇に馴染み、カサつきを和らげてくれる。
―――塗り心地は悪くない。

明らかに女物のリップなので、男の新八が持ち歩くには少々気がひけるけれど、折角姉上がくれたものだし、唇が切れても痛いだけだと思い、着物の裾にしまった。
その様子を見守っていた妙は、「黒地だし、変じゃないわよ。男の子の身だしなみも大事よ?」と言って、新八の頭をポンと撫でた。
考えていたことを読まれたと知った新八は、少し困惑しながらも妙に笑顔を返す。
「・・・はい。ありがとうございます、姉上」
「いいえ。・・・じゃあ、私少し寝るわね」
「あ、はい。僕もそろそろ行かなくちゃ」

早朝、仕事から帰ってきた妙を迎え、それから仕事場へ行く。それが新八の日常になっていた。
バタバタと玄関に向かう新八を、妙が見送る。
「行ってらっしゃい。気をつけてね」
「はい!行ってきます」
にっこり笑った新八に、妙は手を振って送り出した。



□■□■□■


日増しに寒さが募るこの季節、新八はやや急ぎ足で万事屋まで向かう。
姉と同じく夜働いている階下のお登勢に気をつかい、出来るだけ足音を立てないように階段を上り、二階の引き戸を開ける。

「おはよーございまーす」

新八の声は、シンと静まり冷えた室内へ吸い込まれていった。
起きていればお祭騒ぎの連中は、案の定まだ寝ているようだ。新八は「寝汚い奴らめ」と悪態をつき、溜め息をこぼす。
玄関で草履を脱ぎ、台所へ向かう。途中にある押入れを開けると神楽が丸くなっていた。
「オハヨ神楽ちゃん。ご飯つくるから顔洗って」
「~~~~んんんオハヨ新八。寒いアル」
「うん。あったかい飲み物用意しとくから」
しばらく布団の中でモゴモゴしていた神楽だが、やがて思いきったように押入れから飛び降りる。そして寒いと言いながらも洗面台へ向かった。
それを見送った新八は、銀時が眠る寝室をスルーして台所へ向かった。
どうせ起きやしないのだあの男は。
銀時に比べれば、神楽の方が寝起きは断然いい。

新八は神楽の為のホットミルクを作り、次いで2人の朝ご飯の仕度に取り掛かる。新八自身は家で食べてきた。
ややすると顔を洗った神楽がさっぱりした表情でやってきて、ホットミルクに口を運ぶ。
「神楽ちゃんそれ飲んだら銀さん起こしてきてくれる?」
「はいヨ!」
キランと目を輝かせた神楽は、口の周りに白い膜をつけたまま銀時の寝室に突進していった。

新八が茶碗を取り出す頃、彼の耳に銀時の「ぐぇぇ」という蛙が潰されたような声が聞こえてきた。
(踏んだな、神楽ちゃん)
無表情に味噌汁を注ぎながら、次いで聞こえるだろう銀時の怒鳴り声に身を備える。

「・・・こぉんのバ神楽っ!!」

案の定叫んだ銀時に、部屋の隅で寝ていた定春が迷惑そうな顔をした。寝室では銀時と神楽がぎゃあぎゃあ言い合っている。
朝食の仕度を終えた新八は、頃合を計って寝室に声を投げる。

「・・・ハイハイハイ!朝から喧嘩しないの!朝ごはん出来ましたよー!!」

新八の鶴の一声によって、早朝乱闘は回避された。


□■□■□■


「それじゃあ定春の散歩行ってくるアル!」


朝食を食べ終えた神楽は、定春を連れて元気よく家を飛び出して行った。
ガンガンガンと階段を下りる音が響く。

「あー・・・ババァ怒んぞ」
「もう諦めてんじゃないですか?」

騒がしいのは毎度のことだ。お登勢も怒るより慣れろ、などと思っているだろう。

新八は朝食の片付けに入る。
銀時はソファにだらんと背をあずけ、新聞を読みふける。

何気ない、いつもの風景。

食べてもいない食事の片付けをすることに、新八は何の不満も抱かなかった。皿を洗ううちに調子っ外れな鼻歌を口ずさむ。勿論大好きなお通ちゃんの曲だ。

新聞をざっと読み終えた銀時は、思い立ったようにいちご牛乳を求めて台所まで足を運ぶ。
コップを手に冷蔵庫を開くと、新八がラップした漬物を差し出してくる。
「これしまってください」
「ん。・・・・・・ん?」
新八の濡れた手から漬物の入った皿を受け取った銀時は、一瞬ふわりと香った匂いに鼻をひくつかせた。
皿の変わりに手にしたいちご牛乳のパックの口を開き、嗅いでみる。
(・・・・・・違う)
銀時がうーんと唸っていると、皿を洗い終わった新八が不信そうな目で見ていた。
「どうしたんですか?腐ってんですかそれ?」
新八の問いに「違う違う」と手を振った銀時は、いちご牛乳をコップに注ぎながら口を開く。
「いやー・・・なんかさ、あっまい蜜みたいな匂いが一瞬したんだよ」
「鼻が腐ってんじゃないですか?」
「さらっと酷いなお前は!」
勢いよくピンクの液体を飲み干した銀時はコップを流しに置き、頭ひとつ分程小さな新八の頭を両手でがしっとホールドする。
「ちょ、痛いですって!」
親指で耳の後ろあたりをぐりぐりしてやると、指圧で痛がった新八が叫ぶように「ごめんなさい」を言った。
「わかりゃーいいんだよ」
ふん、と高慢な動作で新八の頭を解放してやる。
するとまた、ふわんと漂う甘い匂い。

その先に居るのは・・・―――。

「・・・・・・新八」
「何ですか?」
痛む頭部を両手でさすりながら、新八が銀時を見やる。銀時はその手を捕まえ、犬のように新八の周りを嗅ぎ回った。
くんくんする銀髪に呆れた眼差しを送り、一言いってやろうと口を開いた時、銀時が遮った。
「新八からする」
「は?」
「だから、なんかあっまい匂いが。・・・お前なんかつけてる?」
両手首を捕まれた状態で、新八は眉根を寄せる。その間も銀時は鼻をひくつかせながら「香水、なんてモンつけるわけねーし、シャンプーでもねーし、飴とか舐めてねぇよな」とブツブツ独り言のように呟いていた。
そのままの姿勢でしばらくじっとしていたが、新八の頭の中にふっと妙の笑顔が浮かんだ。

「あ!」
「え、なになに?」

新八のあげた声に、銀時は期待を込めた眼差しを向けた。
その赤茶色の瞳から『糖分』の文字を読み取った新八は、苦笑を浮かべて着物の裾をさぐる。
手にしたのは、黒地に金の花咲く10センチ弱の棒。
「リップクリームですよ。朝姉上にもらったんです」
そのままカチリとキャップを外し、銀時の鼻へ持っていく。
「・・・なんだ」
甘い蜜の匂いを確認した銀時は、心底残念そうな顔をした。
「食えねーじゃん」
「そりゃそうですよ」
ガックリと肩を落とす銀時に冷たい視線を投げながら、新八は繰り出したリップを唇に塗る。
リップクリームとはカサついた唇を潤す存在であって、決して食べ物ではない。
けれど。
「そっちなら食えそうな気がする」
「は?」
そっちってどっち?と聞き返す前に、銀時の顔がぬぅっと近寄ってきた。彼の固い親指の腹で、新八の唇にふにんと触れる。

「・・・・・・・・・・・・!!!」
事態を察した新八がさっと身体を引こうとするが、それよりも早く銀時の腕が後ろに伸びた。
唇に触れてきた方の手は、そのまま新八の顎を捉える。
ガッチリ押さえ込まれた新八はそれでも逃げようともがくが、銀時が自分の身体とシンクの間に新八を固定してしまうと逃げ場を完全に失ってしまった。

「・・・っいやいやいや、食べれませんから!同じ成分ですから!!」
接近するいちご牛乳を飲み込んだばかりの甘い息にくらくらしながら、新八は必死で銀時の顔を押し戻す。
「いやいやいや。新八くんに触れると本物の蜜になる気がする」
「ならねーよ!」
バシンと浮かれた頭を叩いてやるが、ぴくりともしない。
ならばと銀時の口を手のひらで塞いでやる。
「~~~~~っこのクソばか天然パーのマダオがっ!」
ピクリと眉を動かした銀時は、塞ぐ手をべろんと舐めた。即座に「ひぃっ」という悲鳴をあげて新八が手を引っ込めた。その様子を見た銀時はにやんと笑う。新八の顔がひきつった。

「・・・甘い蜜の唇の向こうは、とんだ毒舌みたいね新ちゃん?」

いつものようにけだるそうな顔のまま、赤茶の瞳の奥だけあらぬ耀きを放つことは、新八だけが知っている。

もっと何か言ってやろうと口を開きかけたが、新八の文句も何もかも、銀時の口の中へ吸い込まれていった。










------------------

すいまっせーん!!!(全力で土下座)

とりあえず謝っておこう。すみません・・・!!
何か自分がもう取り返しつかないとこに到着した感が・・・へへ。
見なかったことにしてくださいね!(無理だよ)
元ネタ(というかなんというか)は私の今使ってるリップです。和風なかんじに惹かれたんですが、匂いの甘ったるしさにもう銀さんしか出てこなかったんだぁぁぁぁ。使うたんびに銀さんを思い出します(笑)

こんなん書いてすごい申し訳ない気分と共に、坂田さんをもっと変態ちっくに書けないかとか思ってるあたりもう駄目ですね。

すみません忘れてください←
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